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平成26年11月19日の日経朝刊で知りました。
国税庁が、平成25事務年度(平成25年7月~平成26年6月)の相続税に関しての調査の状況をまとめ、発表したようです。
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実地の調査件数は、約1万1000件です。うち、遺産が海外にあったという海外関連のものは、753件。
これは地域的には、どこの相続が多いのかが気になるところではあります。おそらく、東京、名古屋、大阪(関西)でほとんどを占めるのかとは思います。
この点、日経では次のように報道されています。
「国税庁は背景として『納税者の資産運用が国際化している』と指摘している。」
これは、私が国税不服審判所、特に大阪支部は神戸支所にいた1年7ヶ月ほどでも、ひりひりと肌感覚で実感したことです。
国税審判官になる前、大阪で、相続事件を多く手がけ得意とする弁護士として仕事をさせていただいていました。
その当時は、まだ海外資産が登場する相続は、相続税を何億円と納める事案であっても、ほとんどありませんでした。
しかし。
平成25年の時代。億の相続税を納めるわけではない場合でも、海外に不動産をもっていたり、あるいは、預貯金、証券口座をもっていたりするケースは普通にあくのかもしれないと実感するにいたりました。
市販の国税税務職員職員録を見れば明らかですが、確か、西宮税務署などには、国際なんとかかんとかといった役職があったかと思います(今、手元に職員録がないので不確かですが。)
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ネットを見ると、関西でも、その後、相続業務を派手に広告している法律事務所・弁護士のサイトが多くあります。
ただ、その中でも、平成14年、弁護士として独立して、事務所を開設した当初から、相続税、また相続税だけではなく、法人税の知識と経験も「相続」業務には必須であろう、より依頼者の利益に沿った活動をするならばとの思いがあり、税務には力を入れてきました。というか、入れざるを得ませんでした。
相続に関与しながら、税務の無知のために、あとで依頼者にとんでもない負担を負わせている事例もいくつか見ました。
ただ。平成26年。
もはや、相続には、税務だけでなく、いや税務にも関心を払い関わる以上は、相続事案の相談には英語は必須との思いをもつにいたりました。
そこで。
平成26年7月、国税審判官を退官後、当初、新たに一人で法律事務所を設立するつもりだったのですが、国税庁の組織の力を感じたことから、弁護士も、弁護士一人の法律事務所の時代ではないと考え、さらには、共同経営パートナーとしては刺激しあえて、弁護士としての実力を高めあえる、自分とは異なるタイプの弁護士と、ということで、アメリカの大学に留学し、ニューヨーク州の弁護士資格も有する神川弁護士と、新たにMATSUI&KAMIKAWAとして、法律事務所を設立するにいたったものです。
弁護士に相続、遺言の相談をして、
税法は全くわかりません、
海外資産?英語がわからないし、海外の取引実務は全くわかりません、
では、自身が本来提供できるはずの質の高い法律サービスは提供できません。
そうした思いから新たに設立したのが、
MATSUI&KAMIAKAWAです。
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相続税の実地調査で、海外資産関係となった753件。
税務調査の際、納税者にとって適切な代理人活動、防御活動はなされているのでしょうか。
法律と税務と英語。
気になります。
(おわり)
*ロサンゼルスにある、ハリウッドボウルという野外ステージです。2012年7月、訪米時、ロサンゼルスに暮らす友人に案内してもらいました。
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