2014年11月7日金曜日

税務調査の数字を見る

*以前の依頼者の方から、再開業祝いにと頂いた焼酎です。グラスワインで飲むものだとか。

 国税庁は、11月、「平成25事務年度 法人税等の調査事績の概要」を発表しました。

 国税庁の「事務年度」とは、7月1日から6月30日までですので、これは、平成25年7月から平成26年6月までの、法人税・法人消費税・源泉所得税に関する1年間の調査の状況を国民に報告したものとなります。
 ちなみに人事定期人事異動の日は、7月10日です。

 国税庁の組織としては、国税庁長官をトップに人員は5万6000人います。これを多いとみるのか、少ないとみるのか。
 このうち、税務署、国税局において、法人税の調査等を担当する人は、査察部の人も含めていったい何人ほどになるのでしょうか。
 そのおそらく数千人の人らで、「実地調査」として、納税者のもとへ行き調査をした件数。
 しめて9万1000件だったようです。前年比97.2%。
 うち、非違のあったもの、6万6000件。
 2万5000件ほどは、申告納税主義のもと、適切に申告していたということになります。
 これを多いとみるか、少ないとみるか。

 いすれにしても、脱税のやり得が許されるとなると、真面目に申告納税しているのが馬鹿らしくなるというのが世の常ではあるので、コツコツと実地調査してもらって、こうして非違行為をあぶり出してもらう、課税の公平を守るということで国税庁ががんぱってくれているから、まだ日本の税収が維持されているといえます。
 がんばれ、国税庁!

 不正発見割合の高い10業種というのも発表されています。
 その中でも、1件当たりの不正所得金額がもっとも高いのは、パチンコです。不正所得金額、1件で5000万円を超えています。これは、永遠にいたちごっこなのでしょうか。


 
 その他、海外取引法人にも国税庁は目を光らせています。
  実地調査件数、1万2000件
  非違行為の発見は、うち3000件。この申告漏れ所得金額は、1783億円とのこと。1件当たり約6000万円です。
  英文の契約書が絶対に出てくるでしょうから、調査する国税職員も英語を読めないと、しかも取引実務の英語を読めないと、調査もままならないでしょうね。人材育成。
  
  非違の内訳としては、海外税制絡みは次のとおり。
  1 タックスヘイブン対策税制関係 66件
  2 移転価格税制関係    170件
  
 タックスヘイブン対策税制、たくさんの本が出版され、OECDからも、新たな対策方針が確か発表され、企業にいろいろ要求するようになって、世界的な課税強化が話題とないるところですが、以外と少ないというのが実感です。
 
 ちなみに、移転価格税制の事前相談の申出は、115件だったようです。


 あと、連結法人の実地調査は、145件。
 うち非違発見は、138件。

 これは、調査をする税務職員の方もよりスペシャリストな人材が必要なのでしょう。
 ちなみに、私が関西学院大学のアカウンティングスクールに通っていたとき、連結会計の講義を取りましたが、試験に落ちて単位がとれませんでした。講義は、受けていて、ふんふんと理屈はわかるのですが、試験時間内ですばやく計算ができませんでした。23、24歳の若い学生さんに頼んで個人授業までしてもらったのに。
 税務・会計は、瞬間的に数字をいじれないとその道の仕事は無理だと悟りました。苦い思い出の連結会計。。。
 なので、自分の足らずを知っているつもりなので、税務調査の立会いの仕事をさせていただくときでも、顧問の税理士さんのサポートという、あくまで証拠評価、法律面、また紛争ごととしての税務署との交渉面でのサボートに徹します。


 と、つらつらとプレスリリースのPDFをみて、自身の備忘録がてら書いてきたのですが、書いているうちに何か発見があるかと思ったのですが、特に発見もなく。
 まあ、これらの数字を押さえていたら、いつか思わぬところで何かの役に立つかも。
 得体が知れないと思われがちな税務署・国税局ですが、数字でみたら、こんなもんかということで。
                      (おわり)

*わざわざ沖縄から送っていただいた、沖縄のお店のバームクーヘン。仕事をして、その後もお付き合いいただけるというのは、本当に幸せな仕事です。
 

 
 
 

 



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