「孤高のエース」といえばAKB48の前田敦子さんです。税法ももしかしたら、各法律の中で「孤高」の気高い存在かもしれない。いや、実はもっと他のメンバーとも触れ合えるものかもしれない。そのような税法について、高橋みなみさんにはなれませんが、さっしーこと指原莉乃さん的な本道を少し外れた視点で語りたいと思います。気持ちは一つ。納税者の今の状態を、弁護士として放置できない、それだけです。見てしまった者の責任。
2015年2月5日木曜日
酒税115億円、返還請求
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「国税不服審判所の予算」というタイトルのエントリーで、サッポロの酒税、極ゼロは第三のビールではなかったという件について、少し触れていました。
「特別損失として「酒税追加支払額等」、116億3900万円を計上しています。関連して、「アドバイザリー費用」が3500万円、その他が1100万円。」
この件、サッポロは、その後、自社で調査を続け、やはり「第三のビール」だった!ということで、国税にいったん収めた酒税、115億円の返還請求を国税にしたようです。
日経新聞平成27年1月31日付朝刊より。
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第三のビールではないとの国税からの指摘を受けた といった際には、販売中止になったということもあり、平成26年6月頃、結構大きく報道された記憶です。
しかし、サッポロが、国税の指摘は間違いだったと、収めいた税金を返せといったというとき(更正の請求をしたのでしょうか)は、あまり大きくは報道されておらず、報道記事も見落とすところでした。
サッポロホールディングス。
対応としては、すごく正しい対応をしたのだと思います。
税務上の指摘をうけたのち、それを鵜呑みにすることなく、その指摘の適否をきちんと検証しています。
また、その検証に時間を要すると判断したことから、いったんは、指摘に応じた納税を行っています。
本来は、検証のための時間を確保したのち、指摘に応じて納税をするのか否かを判断すべきなのでしょうが、今回は、法的な検討というよりも、科学的な検討になることからそれなりに時間を要する、国税の方が、この検証のための猶予を与える姿勢を見せなかったのでしょう。
納税に応じないと、処分を受ける、処分をうけてからとなると、それが正しかった場合、延滞税等が元が億単位だとかなりの金額になります。
そこで、まずは指摘をうけいれて納税してしまったのでしょう。
ただ、すべて納得して納税をしたわけではない。
検証のための実験等を続けた。
そして、平成27年1月、国税の指摘は間違っていた!ということで、納めた税金の返還を求めたのだと思います。
ここで、サッポロホールディングスの判断が正しかったということになれば、市場金利よりもよい利率での利子がついて返還されることとなります。
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納税者として、非常に賢い行動をとったと思います。
今回、返還を求めて争って、やはり国税が正しかった、ということになったとしても、サッポロホールディングスは、それ以上に失うものはありません。
弁護士・税理士費用くらいでしょうか。。。
最悪なのが。
納めずに争い、負けた場合です。失うものが多すぎます。
(おわり)
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