2014年10月29日水曜日

脱税報道から見えるもの〜大切なものは目に見えない

 平成26年10月29日の報道です。
 産経ニュース
 東京の映画製作会社が、平成24年8月期までの5年間に10億円の所得隠し。
 重加算税を含めた追徴税額は約4億円。会社は、修正申告をし既に納付済みとのこと。

 手口とされているのは、次のとおり。

・興行やDVDの販売で得た収入の一部、数億円を申告せず。
・海外での興行収入を簿外口座に入金させて、申告せず。
・映画製作費にかかる経費について、一部を二重計上。

 「同社は「見解の相違もあったが、国税当局の指摘を受け入れた。真摯(しんし)に受け止め、適正な経理、税務処理に努める」としている。」

 とのことです。

 収入の申告をしていなかったことが分かった。
 取引先との契約内容を国税に掴まれたということですね。映画の興行やDVDの販売実数については、反面調査で取引先から掴んだのでしょうか。

 海外での興行収入を入れていた簿外口座が発覚。
 会社で、簿外口座の存在が明らかになる通帳あるいは裏帳簿が発見されたのでしょうか。海外の取引先からというのはなかなか国税も掴むのは難しいかと思います。
 ちなみに、簿外の口座に売上金を入れて、申告していなかったら、弁解は難しく、国税通則法68条1項、仮装隠ぺいありとして、重加算税の賦課決定処分を受けるはやむを得ないと思われます。

 経費の二重計上。
 水増し。これは、自社での単なる帳簿上の処理か。

 この会社は、東京国税局の調査の結果の指摘を受け、見解の相違はあったが、修正申告したようです。いったいどの点でのどのような見解の相違だったのか。
 所得の帰属でしょうか。経費のカウントの仕方でしょうか。
 気になります。

 資本金1000万円、業務内容は次のとおり。



OUR BUSINESS

  1. 映画、テレビ・ラジオ番組、ビデオソフト、コマーシャルソフト、出版物、ゲームソフト、コンピューターソフトの企画、制作、購入、販売
  2. 映画、音楽、ゲームソフト、コンピューターソフトの複製、頒布、賃貸、並びに輸出および輸入
  3. 上記ソフトの著作権、商標権、意匠権の管理および販売
  4. 演劇、演芸、講演会の企画、制作
  5. キャラクター商品の企画、著作権、商標権、意匠権の管理および販売
  6. タレント、音楽家、作家、映画・舞台の監督、演出家および映像技術者等のマネージメント

 報道によれば、25年8月期の売上高は9億円とのこと。

 事実だとすると、5年間で10億円の所得の隠ぺいだとすると、ちょっとやり過ぎだったかも。法人税法違反で社長は刑事告訴されないのでしょうか。
 
  毎日新聞の報道によれば。
 毎日新聞の取材に対し、同社の社長(67)は「(新たに作り直す)リメークをすることもあるので(経理処理を決算期ごとに)締めないのが業界の慣習。あとでまとめて申告するつもりだった。国税局と見解の相違があったが、最終的に指摘に従って修正申告に応じた」と話した。

 この報道が事実とすれば。
 そのような「業界の慣習」が本当にあったとして、それで会計処理して、決算書を作成し、法人税の申告をしていたのでしょうか。
 慣習があったとしても、事業年度、決算の目的からして、売上げを計上しないとかは、リメークの有無に関わらずないような。。。
 申告担当の税理士さんは、何をどう判断したのか気になります。
 会社の経理で不審な点に気づいても、税理士さんの立場って悩ましいようですね。
 言って聞く社長かどうか。

(おわり)

 

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